筆者が1976年(昭和51年) 以降、異業種交流に携わってきたことを改めて振り返ると、異業種交流の歴史は「企業間連携に関する手法の開発の歴史」であったと言えます。つまり、企業や経営者がその都度、必要とする情報をどのようにして獲得すべきか、様々な連携手法を考え、実行してきたわけですが、その戦略・戦術が「異業種交流手法」そのものであるわけですから、「交流手法の研究や開発の歴史が取りも直さず異業種交流の歴史」であったということが言えます。
今から30年前に大阪で誕生した「異業種交流グループ」が新商品づくりを目指して「グループ内企業の交流」から始まったわけですが、その後、グループ外の企業や大学・公的研究機関等の交流が行われ、さらに他地域のグループや国際交流にまで発展していくわけです。いま流行りの「産学官連携」も初期の段階と現在とは違いがありますので、これも段階を追って進展していると考えられます。
従って当然ですが、異業種交流の世界では、今なお効果的な交流手法の研究・開発がなされているのだという認識が必要です。当事者にはそういう明確な意識が不在であっても、結果として目前の課題解決のため知恵を絞ると、新たな異業種連携の組み合わせや活動方法が案出されるということです。つまり異業種交流活動は現在でも発展・変化しているということを理解すべきです。 |