異業種交流の第2段階で必ずという程、“学”との連携が出てきます。もともと産学連携は大学の発祥のときから始まります。特に工学は工場現場の技術開発・技術改善と密接に発展してきました。しかし近年の産学連携は新しい要素があります。それは少子化による学生数の激減、類似高等機関の増加、新しい学部の創設による多様化路線、キャンパスの移転による地域展開、地元市町村からの地域連携の圧力、さらには研究予算の減額による新たな研究経費の負担先を求めるなど「大学の生き残り戦略」との密接不可分な関係があります。
また実際に交流してみると、必ずしも大学の研究テーマと中小企業の関心事は一致せず、人脈の形成には役立つが、実際の共同研究にはなかなか繋がらないという側面もあります。
大学側は、中小企業との連携により、新たな研究テーマの発掘と研究費用の捻出も考えていますが、そう簡単に纏まらないという状況です。
大学人が興味を持つテーマと中小企業者の必要とする研究テーマをどのように一致させるかという大きな課題がありますので、産学連携はまだ緒についたばかりと言って差し支えないでしょう。 もちろん人材の供給という点では、中小企業との交流は大いに価値あることですが、これも家庭の教育と結びついていますので、異業種交流会と学との連携も、長い目で見るということが必要です。 |