横浜市で毎年2月、3日間開催されている工業技術見本市「テクニカルショウヨコハマ」は、本年も3万人以上の人が来場しました。たまたまシンガポール企業の出展が初めてあり、関連事業で私がシンガポールの異業種交流やIT事情をお話する機会がありましたので、改めて勉強し直しました。
1981年に国家コンピュータ庁(NCB)を設置、92年には「IT2000年計画」を立て、2000年にはシンガポール全体をインテリジェント・アイランド化する計画を発表しました。99年にはNCBと通信庁を統合して情報通信開発庁(職員八百人)を設置、2000年に「ICT21」(Information & Communication Technology)計画を発表。
2002年には小学校と中学校の生徒の半数のパソコンを設備し、現在でもすでに教員の大半はパワーポイントによる教育を行っているといいます。しかし小学校は全国で僅か 200校、中学校も 150校に過ぎません。ですから日本に比較すれば設備投資も僅かで、また教育も行き届くわけです。 確かに日本に比べればインフラは整っていると言えます。しかし私が回った異業種グループの中でITを活用しようとするグループの場合、事業化計画がまだ甘く、結局インフラの利用の前にグループや個別企業の経営戦略を見直す必要性を指摘せざるを得ませんでした。ですからインフラは重要ですが、その前に個人の企画力や表現力、説得力、国語力などがなければIT活用のレベルは上がらないということです。第31回(異業種グループのIT化推進策・)
中小企業異業種交流財団は平成11年度に「異業種交流活性化に関する調査研究」を通産省(当時)の外郭団体である(財)産業研究所から委託を受けて報告書を纏めましたが、平成12年度は「IT活用による異業種交流活性化に関する調査研究」を受託し、この程報告書を纏めました。私は両方とも調査委員に指名され、報告書の作成に携わりましたので、IT関連について触れます。特に「異業種交流活動におけるIT活用の進め方(ガイドライン)」を執筆担当しましたので、概略を述べますと、まず「活用の目的」は・会員間交流を主体としたグループ内交流・他グループとの交流とデータベースづくりと検索・中小企業庁・他機関・他団体等の情報、補助金情報等・情報検索各種の情報検索・海外交流・提携等の5つを挙げています。いずれも解説が不要な位、一般的命題です。
次にそれらを段階別に取り組んでいく方策について触れています。
・着手段階意思統一・中間段階・対外交流段階・ネットワーク交流段階。これも至極当たり前のことです。次に「情報化におけるキーワード化の留意点」として、前々回まで強調した、いわゆる“超”の話にあい通じる内容を述べてあります。「現状の情報検索システムは基本的に言語検索です。従って他人から見て、自社のホームページ等が検索されるためには、相手の関心事にいかに合致する用語がホームページ内に散りばめられているかが重要」「この表現力は自社の得意とする技術や商品あるいはこれから挑戦しようとしている新しい開発などをどのように第三者に理解させるのかということであって、自社の存在そのものをアッピールするテクニック」と指摘しています。 |