異グ連(神奈川県異業種グループ連絡会議)ほか4団体による、高精度・難加工・小ロット・一品生産対応を目指す受注システムです。99年2月に発足したもので、直接的な動機はある大手企業からの相談内容でした。
ある異業種交流グループの会員でもある某鉄道車両メーカーから、東急世田谷線の路面電車に車椅子でも上がれるステップを作りたいが、問題は8基しか作らない、ということでした。傘下の下請企業群では対応出来ず、既存のステップメーカーに声を掛けましたが、いずれも極めて高額な見積もりであったということで、回り廻って私のところへ話がきました。そこで1週間後、あるグループ企業が一定の設計仕様のアイデアを持って行ったところ、すでに群馬の企業へ発注された後でした。そこからの教訓として・かなりの大手企業でも単品生産ものに弱い、・照会があったらとにかく駆けつけてツバを付ける、・一定の対応グループを設立しておく必要がある、ということです。
そこで異グ連傘下企業や横浜市金沢区の工業団地グループ・中小企業家同友会グループさらに小零細の下請グループの4団体傘下企業、約80がそれぞれ得意技術提案する共同受注グループを結成しました。
最初は、事業目的や趣旨の協議から始まり、傘下企業の募集、各個別技術の確認と技術レベルの評価、共同パンフレットの作成など1年間掛かりました。
昨年の2月の恒例の展示会(パシフィコ横浜で毎年開催されるテクニカルショウヨコハマ)で初めて一般公開して1年間の商談件数が7件。内容的には、4件がただ単にコスト低減策だけでしたので、除外。3件は超困難な加工案件で、さすがにギブアップ。確かに世間にはそういう困難性の仕事があるということが分かりました。その後も幾つかの照会が舞い込んでいますが、もう少しグループ内の体制整備をしようとしています。
異業種交流の新たな発展局面と実践事例(機構改革36ー38) |