財団が神奈川県の中小企業支援のための総合相談体制を果たす中で、一番の弱点が実は技術問題だ、というわけです。
もちろん県機関として産業技術総合研究所などがありますが、財団に来て、その場では解決不能で、横浜から海老名へ(産総研の場所)照会するのもどうだろうか?という事です。
しかし当交流支援課のビジネスコーディネータの半数は技術士ですし、私を含めて産総研出身者が5名もおり、産総研との繋ぎも良い。そこで技術的相談は全て交流支援課で引き受けることとしました。従来でも産総研を紹介するときは組織を知っている私達がどこの部署の誰を尋ねればいいかを割り出し、当人への繋ぎも行い、安心して産総研へ行けるようにしてきたわけです。
しかし中小企業の相談は現実には純技術問題は少なく、事業化や融資とか、補助金とか経営戦略的関わりが大半です。従って技術関係者を多数集めればいいというわけにはいきません。
相手の目的はその技術的テーマをもとに自分がどのように仕事を進めればいいのか、つまり企業や起業家を目指す人の事業計画を一緒に考えてあげるということが相談事業の本質です。
これは何も技術だけではなく、その他の分野の相談も同じです。従ってビジネスコーディネータが行う職務の本質はいわゆる外部経営資源のコーディネートを行うことだけでなく、その解決策の前提に相談者のビジネスプラン作成のお手伝いをするということです。そのプランに沿って適切な外部経営資源を投入するということになります。
しかも計画作成は、相談者自身が自ら発見するような力を引き出し、自分の事業化計画が深化するようなやり取りが何回もあって問題解決のヒントが発生すると考えた方がよく、単に教えてやるということではありません。教えるのは関連した他の事例を紹介することでしょう。
異業種交流の新たな発展局面と実践事例(コンソーシアム事業39ー44) |