36年振りに改正された中小企業基本法の考え方については、異業種交流関係者に取って非常に力強い政策転換或いは強化策というべきものが含まれています。それは「“異業種交流など”緩やかなネットワーク」を評価し、従来の組合等の法人化推進路線とは異なる方向を明示したことです。これまで、構造改革や近代化促進と言われた施策は、業界等の既成団体を通したお金の配分システムに乗っかるものでした。法人格のない任意の異業種グループには中々お金が入ってくる仕組みはありませんでした。むしろ近年の異業種交流活性化の動きが却って新興勢力の台頭として嫌がられる側面すらあったと思います。
昭和63年(1988)に施行された画期的な「異業種組合補助制度(融合化法)」が、平成7年(1995)創造法に吸収されたときに「融合化はもうおしまいだ」という声すら一部にはありました。しかし平成10年(1999)7月施行の「経営革新支援法」で異業種交流が再浮上したときに関係者から注目を集めました。基本法の改正施行は同年12月ですから、僅か半年の違いでしたが、異業種交流への再評価の前兆として捕らえられたわけです。実際にはこれより3〜4年前頃より、各通産局(現経済産業局)単位に各種調査が行われ、任意団体である異業種グループに技術力のある中小企業が多数集まっているという分析がなされていたのです。従って協同組合等の法人化した組織ばかりに目を向けるのではなく、任意団体にも光を当てようということになったわけです。 |