大学側の依頼で行った事例を紹介します。
横浜国立大学工学部の朝倉研究室が開発した、「新しいサビ止め技術」の市場開拓は、開発に携わった大学院学生のベンチャー企業起こしも狙った内容です。
電界液中に金属製品を付けて、弱電流を流すことにより、半永久的にサビさせないという原理です。
もともと金型業界とタイアップして開発された技術ですが、当の業界が金型保全をこれ以上やる意思がなく、事実上野放しのまま保存?してありますし、水中から引き上げた際、水分を除去する対策や、輸送手法などに困難性がありそうです。そこで他分野での活用方策を探すこととし、刀剣や銃、埋蔵文化財、骨董品等の保全、精密部品の防食技術、あるいは百円ショップでの簡易キット等々、発想を変えての市場調査を行いましたが決定的なマーケットは今のところ発見出来ませんでした。
しかしこの協力事業がきっかけで、同学部が行う新たな社会人大学院コースの学生募集作戦や、民間企業が出資する冠講座の創設の相談などがありました。
また別途、私個人への講義依頼も発生し、日本大学の社会人大学院講座で「中小企業向け補助金の政策や実例」、横浜市立大学の市民公開講座「IT化グローバル化と地域経済」シリーズで「異業種交流と地域経済」を担当。さらに昨年度からは関東学院大学経済学部で毎週土曜日、「地域経済」論を担当することになり、結構、忙しい週末をおくっています。
異業種交流の新たな発展局面と実践事例(東アジア57-70) |