アジアの中では韓国との交流が一番古く、10年以上前に遡ります。韓国政府が1989年に法律を作って、日本の異業種交流を取り入れて、全国的に推進することとなりました。このとき私が韓国内主要都市で普及のための講演活動を依頼されたのがきっかけです。90年と91年の2回訪問しました。当時、日本から招聘されたのは、私の他、商工経済研究所(商工中金が設置したシンクタンク)の中熊祐輔氏、埼玉県川口マリモグループの中田賢治氏、新潟県先端技術研究会の上田一喜氏の3人です。いずれも異業種交流を古くから手掛けた実践的な方々です。中熊先生は著書も多く、異業種交流の進め方については韓国側が著書の一部を翻訳し、教科書にしました。しかし2度も呼ばれたのは私だけでもちろん1度目と2度目は内容が異なる話をしました。韓国側は僅か1年で違う話題を取り上げて講演したので、びっくりしていました。
2度とも韓国側に大変世話になりましたので、継続的に日韓が交流する道はないかと考え、「日韓異業種交流シンポジウム」を交互に開催しようと提案、その後八年間続きました。
韓国側の窓口は「韓国中小企業振興公団」という非常に力を持った機関です。日本の中小企業総合事業団に該当するとされていますが、韓国ではまだ地方自治が十分発達していなかったため、全国に支部を置き、日本の都道府県の商工政策も担当していました。従って日本より権限があったといえます。
このシンポジウムは、昨年から国の(財)中小企業異業種交流財団が開催することへと変わりましたので、私達はビジネス中心の推進機関を設けました。異業種交流財団主催のシンポジウム(昨年・韓国ソウル市、本年・東京都有明)には韓国だけでなく、台湾も参画しており、本年はシンガポールにも参加してもらって4ケ国の異業種国際シンポジウムにしようと提案しました。 |