シンガポールの異業種交流グループに張りついているコンサルタントは比較的若い人が多く、日本のように大手企業等を退職してから始めるというのではなく、コンサルタントという業を志して勉強しているようです。 政府は意識的にコンサルタントを育成しようとしているようで、例えば30年以上経過した古い低層型工場を高層型工場へ移転するためのコンサルなども担当させています。複数のコンサルタントを擁する会社も多数あるようです。
シンガポールの異業種グループは小人数による実践型タイプ、事業化を直接目的とした集団ですので、日本での参考実例としては、神奈川方式のプロジェクト型の活動内容が最も噛み合ったと思います。結果的には私が派遣されたことが良かったと思います。
もちろん日本の異業種交流活動の歴史やポイント、グループ活動の要諦など必要なことは全部話しました。
本年(2001)1月に発刊された「異業種交流ガイドブック」には私の意見がいくつか紹介されています。本書の冒頭には「企業がレベル向上を行い、成長し、国際的市場においてより高い競争性を得るためには、経営姿勢や従来の考え方の方向性を変えて知識の吸収・利用・普及を促進させるべく、事業活動について新しい考えを取り入れる必要があります。シンガポール生産性・規格庁は企業の事業発展可能性を強化させるために、資源の集約及び知識基盤経済における競争性を高めることを可能とする異業種交流プログラムを発足しました(シンガポールジェトロ駐在神奈川県職員清水周氏訳)」とあります。最初から国際競争に勝つことを標榜しているわけです。 |