この調査結果で注目されるのは、開発実績の有無によるグループを分類し、双方を比較していることです。おそらくこういう分析は初めてではないかと思われます。
まず共同開発成果の年間売上高の平均は一グループあたり、七千四百万円余もあります。最小は一〇万円から、最大二○億円まで。全体の五割が一千万円未満、九割が一億円未満。
共同開発に取り組んでいるグループが五割、売り上げが発生したものが一割あり、全体に予想以上の開発成果が出ていると思いました。
売り上げ実績のあるグループA、開発実績があるが売り上げ実績のないグループB、開発を行っていないグループCとを比較すると、当然ですが、「技術開発上の話し合い」や「分科会」の設置はA>B>Cの噸で活発度合いが異なります。
さらに「厳しい意見でも率直に言い合える雰囲気がある」という点でも同様な傾向となっています。
逆に「三ケ月に一回以上酒席を持っている」とか「年一回以上国内宿泊研修の実施」「インターネットを活用した情報発信」などは順序がC>B>Aとなっています。
恐らくグループ全体としては、開発より会員間交流を重視しているからでしょう。開発はグループ全体で取り組むというより、個別的な取り組みになりますから。面白いのは、「会の目的・目標のチェック、見直し」を重要と考えているのは、A>B>Cの順序でした。事業活動を重視すると、会の目的等が議論になるのかも知れません。
外部参加者の受け入れ状況を見ると、売り上げ高上位グループ程積極的に受け入れる傾向にあり、ネットワークの活用度合いが増すものと考えられますし、しかも最も多い外部参加者が行政関係者だったということが意外でした。
(02.02.11) |